うわぁ、よくできた映画だなぁ。シナリオがきっちりあって無駄のない演出、こういうのが究極のエンターテイメントってやつなんだろな。
最後のシーンでは久しぶりに涙腺がゆるんだ。正直すぎるゆえに弱い。ひたすらまっすぐなだけに社会に適応できない。彼と彼女、彼とある子供(ある子供?タイトルが微妙だなぁ)、それぞれの立場に共感できるのに画面中ではぶつかり合ったり、選択に追い込まれたりもする。自然に。彼のひたむきな姿は背伸びしてるわけでもなく、何かにひがんでるわけでもなく、非現実な夢があるわけでなく、ただ目の前に幸せを築きたかったんだと思う。
自分でまいた「種」でありながら、その「事実」を受け入れられない。しかし、そこにやましさは一切ない。自分に正直に、思うままに行動している主人公。それが気がつかないところで誰かを不幸にし、その不幸を悟られないように「事実」を隠し通そうとする。究極な選択なようで、実は答えは明白なことに気がつけない。
すごく分かりやすい内容で、人間の心理をつく作品だと思った。この結末に対してぼくが感じたのは、欲望に対するアンチテーゼ。
見終えて改めて「マッチポイント」というタイトルを思い出し、「なるほど」と感じた。
読み始めてすぐに感じたのは、すごく境遇も考え方も似てるなぁということ。
「長崎に落ちた原爆は実は八幡の製鉄所に落とすつもりだったが、その日の天気が曇っていたから、近くの長崎に落ちたんだ」というくだり。ぼくも全く同じ事を幼少の頃聞かされて、運命について考え、宇宙の存在を考え、深い眠りにつくことがよくあった。
「実は自分の生みの親は違うのでは」という疑問。ぼくもずっと悩んで、本当に自分は親と似ているのか不安だったし、優しくされるほど捨てられるんじゃないかと不安でいい子にしてなきゃと思っていたし、今でも実家が自分の家という感覚ではなく、実家に「住まわせてもらっている」と感じている。
ただ序盤を過ぎたあたりから「似ていると感じた境遇」が、全然違う形となる。
「オカンの人生は十八のボクから見ても、小さく見えてしまう。それは、ボクに自分の人生を切り分けてくれたからなのだ」というくだりで泣いた。なんでぼくのためにそこまでする!っていう不満が常にあって、ぼくを甘やかす親に嫌気が差していたが、このくだりを読んだ時、何か理解できた気がした。
終盤、泣き所が満載だった。喫茶店でひとり、目に涙を浮かべてしまっていたが、周りの人に気がつかれていたら、ちょっと恥ずかしい。
「親孝行したい」けどどうしたらいいか分からない方、ぼくもその一人なのだが、そんな方におすすめの一冊です。
上辺だけ見てしまうと、あるミュージシャンのドキュメンタリーちっくな映画で終わってしまう。しかし、実はとても繊細にジョーンズの心理が描かれている。ぼくは天才ではないが、彼が感じた孤独を共感できた。「平気」を装って実は「淋しい」のだ。人を「試す」なんてひどい事だと思うが、無論「試し」ているつもりはこれっぽちもない。「大切」ゆえに突き放してしまう感覚。でもこれって誰も幸せになれないんだよなぁ。
エンドロールが流れて涙したのは初めてだった。
ドキュメンタリードラマ。実際に起こったんだよなぁ、と見終えた。はずだった。それが、である。エンドロールで、あの日ユナイテッド93に乗っていた乗客の名前が
流れた途端、泣けた。それが実際に起こった事件だと「実感」したからだ。正直どこか人ごとで、現実味がなかった。その時ぼくは入院中で体に24時間点滴生活だったなぁ、とかそんな相対的にしか見れていなかったのだ。それがエンドールで初めて突然事件を「実感」できた。もうこれ以上何を語ることがあろう。ぼくはこの事件を忘れない。
日本での女子高生による「オヤジ狩り」をヒントに作品は作られたそうだ。っという段階で正直この映画をなめてた。確かにそこにヒントを得て書かれたことはよくわかるのだが、それ以上に登場人物の心理に入り込んだ内容だった。人を見かけで判断しては行けないというが、改めて痛感。しかし、誰の前でも同じ自分でいることなど不可能だ。家族に見せる自分。恋人に見せる自分。友達に見せる自分。仕事中の自分。・・・。それはどれも自分であって。知らずにいる幸せ。知ってしまった不幸。
3部作の第2部。第1部を見終えた時の方が、純粋に楽しかったなぁ。第2部は笑いをとるためのわざとらしさが露骨に表現されているのがいやらしく感じた(まぁ、笑っちゃうんだけどさ)。ひたすら豪華な演出で、何の考えなく見れる、これぞ娯楽ムービー。
始めに断っておくと、「終戦」直前後の話だが「反戦」を描いた作品ではないだろう。これは昭和天皇の話。強いメッセージ性があるわけではない、むしろ無機質で淡々とゆったりと進むストーリー。「生き神」ではなくただ一人の「人間」であろうとする姿が印象的。興味深いのはキャストはほぼ日本人で構成されているが、スタッフは外人で、ロシア/イタリア/フランス/スイスの合作であることだ。
中国映画。ここ三十年の中国の歴史は想像を超える高度成長を遂げている。メイドインチャイナを見かけることは多くなったし、その製品の価格は驚くほど安い。さらにパンフレットを読んで知ったのだが、三十年前一生かかって稼いだお金を、今では一年で稼いでしまうというのだ。驚愕。そこで生じる価値観の相違などの世代問題。もっと核につきつめていけば、親と子。この映画ではそういった時代背景の中で生活する父と子が描かれている。
テレビで紹介される映画予告は見ないようにしている。しかし、この映画は予告を見てしまい、それで見たくなって見た。でもというかやはりというか予告から想像したものとは全然違った。残念ながらそれは期待はずれだった。んー、まいった。
家族愛、特に兄弟愛が描かれていた。
「末っ子はわがまま」と一般的に言われるが、ぼくもそうだし、この映画のたける(オダジョー)もそうだった。
自分の欲を満たすために自分の都合のいいように物事を解釈し、目の前から「逃げて」居心地のいい場所を探す。
でもその場で現実と向き合いながら生活することも、その場から逃げた生活を送ることもどっちが良くてどっちが悪いということはない。
兄はたけるにこんなようなことを言った。
「駄目な社会から逃げただけだろ」
皮肉か本心かきっとどっちもだろうが、たけるはこの言葉に図星だったに違いない。ぼくがこんな言葉を言われたら涙モンに嬉しい。
そしてもう一つこの映画で描かれていたのは「真実の在り処」。
これはぼくの永遠のテーマであり、折に触れ口にしたり文に連ねてるけど、この作品で描かれていたことに共感できた。
「真実」と「事実」の違い。
その差こそ、この映画タイトル「ゆれる」だと感じた。
真実とはあまりに残酷である。
MIを見たときは衝撃だった。ただのアクションにとどまらないスリリングな展開に興奮した。でも正直MI2はただのアクション映画に感じてしまってがっかりした。そしてMI3。特別な期待を持たず見たのだが、これがなかなかどうして。かなり楽しめた。所々に見られた真剣なのに、ユーモアがあるあたりがツボだった。
あっという間に終わった。展開もいいし、ストーリーにスピード感があった。ストーリー的には、この手の映像やら本やらを学生の頃、見たり読んだりしてたから、特に新鮮さは感じなかったし、もっと深いところまで踏み込んで欲しかったけど、楽しめた。でも良かったか?と聞かれると普通かな。偉そうに言っちゃうと、そこは要らねーんじゃねぇってシーンが少なくとも2カ所はあった。そのせいで結局のところがお粗末になってしまった気がした。って酷評だけど、映像美や音楽、テンポなどトータルで★9です。
相手の気持ちを勝手に「理解」してしまう言い回しとかには抵抗があったけど、やり場のない怒り・悲しみの吐け口を模索するたみおの姿は、むしろ「真実」として共感できた。未成年だからとか、死んだ人が望むことだとか道徳が作り上げた「倫理」ってやつが頭で理解できても、我が身に降り掛かったときに、どれだけの苦しみがそこに存在するのだろうか?復讐がまた「倫理」の約束を破ってしまう。悲しみを生んでしまう。どれだけ「現実」に向き合えば、悲しみを抱えたら幸せを感じることができるのだろう。考えさせられる重い映画でした。
予告を見て面白そうだと思ってたけど。予告と結構違うんじゃあ、ありません!?まぁ面白いは面白いだけど、予告でイメージさせてたのとは違うと感じたのはぼくだけでしょうか?でも昭和的な空気感にタナカヒロシがぴったり合ってて笑えた。
立場的に上の人間に対してならまだしも、立場的に上の人間が、「あいつはつかえねー奴だなー」とか「空気読めねーやつだなー」とか、明らかに自分(たち)が中心となった物の言い方をする場合。そういう図式ってどの社会にもあるんだと思うけど、そういう考えはおれはとにかく嫌い。駄目なところのない人間はいない。だから、相手をののしる発言を耳にすると不快になる。
この映画で登場する人物は、いわゆる「だめ男」である。でも彼を見る周りの人の目が、決して上から目線でないところに、対等にぶつかり合うところに平和を感じた。いいなと思う。そして何より彼のモチベーションの持ち方がいい。前向きにしてくれる。
そもそも、これがカート・コベインの最後の2日間を描いた作品だと思ってみてしまったのが失敗だった。これはそういう作品ではない。確かに実在した人物「カート・コベイン」をモチーフにしたのは監督が語っていたことだが、中身はあくまで作者の想像の世界なのだ。そして監督がこの作品をカートへ捧げた作品なのである。だから、この作品の登場人物にカートを重ねて見てしまうのはなんか違うと思ったし、そう思いながら見てしまったので違和感を感じた。
ちなみに今日はカート・コベインの命日である。
哀悼の意を込めて。
お伽話が映画になった。こてこてかなと思いつつ、どんどんのめり込んでいった。「ピーターパン」。終盤になって、ふと小学生の頃見たピーターパンを思い出した。当時、初めて見てすげぇ感動したことを、それを友達に知られたくなくて「大したことねぇな」って嘘吹いていたことを。すごいねぇ、忘れていた小学生の記憶の断片が蘇ったことにびっくり。そんなすべてがネバーランド。nirvana。
SFアクションヒューマン。映像に迫力があった。テンポもすごい良くて。大概この手の作品って始めから中盤がすごくて、最後の方は拍子抜けするんだけど、この作品はそんなことなかった。中盤ちょっと大丈夫かなぁって思ったけど、最後まで「アイランド」に夢中になれた。ちょいと考えさせらる部分もあって。うん、よかった!
淡々と父と娘の会話が続く。広島の原爆がもたらした悲劇。生きることについて今一度考えさせられた。
ひっさしぶりこてこてハリウッドラブストーリーを見た。毎日が恋人気分なんてあり得ないようなぁ。それって「愛」なんだろうか?な〜んてね。愛だとか恋だとか語るだけの器じゃないんでこの辺で。
ウディアレン映画だね。登場人物が必要以上の手振りアクションを加えることで、話しに退屈しない。ハラハラドキドキすることもないんだけどさ。ウディアレンの演技が見所。見終えて「ふーん」って感じが心地いい。
NYを舞台にしたアメリカのテレビドラマ。このレビューに書くのもどうかと思ったけど、とうとう完結してしまったので。
登場人物それぞれだめだめな部分を持ってる。でも前向きに生活している。周りはそのだめだめに気がついてるが、そうと知ってそれを理解し、尊重する。
まぁ、かなり笑ったなぁ。何の気兼ねなしにいつでも見れた作品。10年間も主要登場人物6人がずっと出演していたのだからすごいや。
久しぶりにこういった完全に作られた作品を見た。起承転結はっきりしてて。ミステリー。いにしえからの言い伝えと被せながらストーリーが展開される。映像技術、ストーリー展開、すべてがびしっとまとまっていた。
久しぶりにケン・ローチ監督の作品を見た。ちなみに個人的ベスト3の監督の一人。個人的に馴染みの薄い宗教問題が深いテーマとなって、それは言い換えると、お互いの言い分が全く違うが、お互いを尊重しようとする姿勢であり他人事には思えなかった。これまでの作品より、重いテーマだと感じたと同時に、より「愛」に対してのこだわりみたいなのを感じた。繊細な登場人物の描写は相変わらず素晴らしいなぁ。それぞれの立場に正当性があってぶつかり合う。
ゆ〜っくりとストーリーは流れる。文学的な映画。自分に足りないものを補うために何をするだろう?彼女は服を購入し続けた。無機質な人間が温かさを知る。それを失う。それを他人が知る。人の温かみを知ることの出来る他人。自分の足りないものを補うために購入し続けたはずの服が持つ意味。「ただただ我慢できずに買い続けた。」と原作に表現されていたが、おれは「無意識の相手を思う優しさ」と感じた。そこに惹かれ合う人たち。とにかく繊細。
これはアート作品。だからおれには正直メッセージ性とかそういうのはよく分からなかったし、無理に考えるのは止めにしようと思う。ただ、映像が奇麗だなぁとか。全体の雰囲気をそのまま感じながら、飾ることのないその世界に浸って見た。
こてこてな笑いの間がたまらない。コメディー。
全体を通して雰囲気がとにかくいい。アケミが車を運転していて、ふとサイドミラーに映る空に、はっと一瞬振り返る。そのときアケミは何を見たのだろう。正解なんてないのだろうけど、考えてみた。「考える」こと。それがおれが出した答え。ほんとに大切な事ってなんだろう?
「これっ」っていう明確な目標があるわけじゃないんだけど、現状に満足できなくて「何か」をしたいともがく。ふと自分を見失いそうになったり、現実に不安になる気持ちは生きていれば少なからず感じる瞬間はある。そしてこの作品に描かれたそのもがき方は、きっと自分が中高時代に見ていたら、影響受けた気がする。まさしく青春映画。言わんばこの作品を見るには正直、歳を取りすぎてしまったようだ。同じテーマでも、もし自分が描くとしたら違う表現になるだろうなぁ。
見終えて、ただ悲しかった。この作品は「尊厳死」という重いテーマ。見ている間、彼に間違いだと言い続けたかった。でも見終えて、何が最善の選択なのかよくわからなくなってしまった。「間違いだ」と自分の意見を主張したくなってたことを恥じた。「生と死」とは、「自由」とは。20歳前後によく考えたテーマ。それから10年、自分なりの答えを見つけた気でいたが、今一度、自分自身に問いかけてみようと思う。
感想をいざ書こうとすると言葉が出にくいなぁ。これをどうとらえたらいいんだろう。そうだな、自分に正直になろうとする登場人物たちの姿がいいなと感じた。制作面ではワンカットワンカットの映像や、ストーリーの展開、見せ方がよかった。もしかすると奇麗な映像の過剰な並べすぎは、返って鼻につくのかもと思った。
面白かった!ちょっとだけブラックジョークみたいなとこもあるけど、それはママが抱える病が帳消しにしてるし、見始め時は無理な設定に思えたのに気がついたらそこに不自然さは感じなくなってるし、テンポもよく。うん、よかった。楽しかった。
ドキュメンタリーながらその構成と演出がテンポよく、映像作品としても楽しめた。というか食に対する危機感みたいなもんを強く感じた、かな。と感じながらも最後に流れる軽快な♪スーパサーイズスーパサイズってのに合わせて急にマックが食いたくなっちまった。こりゃやばいっ!分かっちゃいるのに・・・
家族との折り合いがつかないシーンがあったが、ありきたりではあるけれども、切ない気持ちになった。彼女のまっすぐに生きる姿勢は見ていて前向きになれる。彼女のそのまっすぐに生きる姿勢、少しでも自分も持ちたい。それは志ひとつなんだと思った。
久しぶりにシャルロットゲンズブール(個人的に高校生のときに惚れた女優で、かれこれ10数年経ってるのには驚いた!)見たさに、こてこての恋愛作品だろなと思いつつもレンタルしたのだけど。再生したとき、あーやっぱりって思ったのだけどそれは始めだけ。これがなかなかどうして!ちょい役で、でもキーポイントにジョニーデップが登場しちゃって、BGMにベルベットアンダーグラウンド、レディオヘッド、エルビスプレズリー、スーパーファーリーアニマルズが流れちゃって、もうテンションあがったね。映像も素晴らしいし、音の空間もいいし、こりゃやばい!ギミックなしのラブヒューマン。こりゃあ個人的隠れた名作っ!!!
いくつかの短編集がたまにリンクしながら話が進む。始めは最後まで見れるか心配しちゃったけど、笑いあり、ちょっぴり感動や考えさせられる事もありで。「がんばろう」って思えた。個人的に犬は好きでも嫌いでもないから、犬好きにはたまらん作品なんじゃないかな。でも一生に一度くらいは犬、飼ってみたいかも。
スポーツ・ドキュメンタリー。世界のトップサーファーたちが世界一のビックウェーブを探し求め波に乗る。すっげぇーの連発。自分も夏になるとボディーボード抱えて海に入ること10年くらいになるが、当然比べもんにならんかった。孤独と恐怖と、これだと感じた波に乗ったときの興奮は多少分かってるつもりだが、ここに描かれた映像は自分が感じてた次元をはるかに越えていた。あらためて大画面で見たい!
実は見るのがこれで2度目なんだけど、絶賛され、社会現象となっていたときに便乗して1回見てたのだけど、正直いいとは思えなかった。人の幸せを操作することが許せなかったし、たたみかけるナレーションが疲れちゃって。でもなぜだか2回目はうん、それらはそれとして、作品を楽しめた!世界との距離感、他人との距離感。繊細な心。ある意味、ファンタジックで。
一生懸命な姿勢。でもちょっぴりずれてて。敬遠する人は結構いるのかもしれないが、劇場の周りの人たちもそういうオーギュスタンを毛嫌うことなく受け入れようとする。そんな姿がとても平和的。ほんのちょっぴりだけど勇気をもらった。
感想を書いてしまうと種明かしになっちまうのであまり多くを語れないが、役作りのために実際に激痩せしたクリスチャン・ベールってすごい。詳細を追求してしまうとよく分からないことが重なるけど、漠然に捉えると「なるほど」と頷けた。
キューバの革命家チェ・ゲバラ。恥ずかしながら彼のことを何も知らない。後にこの作品は彼自身の若き頃の日記を映画化したことを知り、いくらかの脚色はあったとしても実際にあった話だとはびっくりした。そして静かな感動を覚えた。
スペイン映画。様々な登場人物がそれぞれに抱えた問題が入り込んで、ドラマが散りばめられていて。どんでん返し的ではなく自然に無理なく想像できる、しかしありえない展開に「あ〜やっぱり」とため息をついてしまう。「想う」ことの難しさ。
ひたすら会話と背景で成り立ってる作品。作品の時間と実際の時間がほぼ同じで。つまりはある二人の男女の80分の話し。なもんでストーリーの展開の少なさに、いわゆる面白さは欠けるのだけど、心理描写が見事。
思い出話が脚色されることはよくある。どんなに意識して事実に忠実に語ろうとしても当時感じた感動が今もあるとは限らない。他人の語らいに「それはほんとか?」と思うことがあるだろうか?でもそれがその人自身についての語りであれば、それがほんとかどうかなんて疑問を持つ事自体がナンセンスだと思う。信じる事ってすごく素晴らしい。でもその信じる事を疑ったらその人との信頼関係はそこで終わりだろうし、利用するのはさいてーだと思う。
すごくよくできた、きれいにまとまった作品という印象。152分という時間はあまり気にならずに最後まで見続けられた。レイのことは名前を知っていたり、多少彼のサウンドに触れるくらいだったけど、その背景的なことが分かってよかった。
パッケージがいけてない。こてこてラブストーリーって感じがして個人的には嫌だ。中身は違う。新感覚ラブロマンス。まるで眠っているときの夢が映像になっているような構成で。ストーリーは複雑でありそうで実は筋が通ってて分かりやすくのめり込む。音楽の使い方が絶妙!前半10分くらいでもうやられてたもんね。映像がすんごい好き。色合いとか雰囲気とか。やばい。繊細。切なさ。忘却。心傷。想い。想い。想い。素晴らしい!
らしいというか、想像した系の作品で満足。作風はちょっと不思議な感じと言うか、そんなストーリー展開なんだけど、メッセージはストレートで共感できるとこがたくさんあった。そして、言葉じゃない、表情で感情を表現しているところがすごい感銘。見ながら胸にまで伝わってくるもんがあった。分かりやすい感動じゃないけど胸の底からぐわーっと感動という言葉じゃ大袈裟だけどそれと同等の感覚があった。
見ながら次の展開が想像できてしまい作品にのめり込むことができなかったのが残念。過剰な台詞にリアル感はなく、ちょっと現実離れしすぎてた印象かな。ま、そこがこの作品のいいところでもあるのだろうけど。気乗りしない相手に対して自分の気持ちを強引までに伝えていく姿が素敵。年を重ねる度にこの積極性が弱くなってしまっていけない。ピュアって響きが聞こえた。
変態エロエロカルトムービー。見ていて、気分が悪くなり、汚い話ですが途中で吐き気が。体調不良ってこともあるんだろうけど。そこは正論など通じない世界。しかしすべてを否定しきれない道徳感の欠如。汚い世界から目をそらして、健常な世界を見ることはストップボタンを押すだけなのだから容易い。ただこの作品を見続けることの意味は汚い世界があることから目をそらさないこと。
原題:再構築」って意味らしい。こんなタイトルのラブストーリーは見ようとする人は少ないかもしれない。でもこの再構築ってタイトルがぴったりな作品。あーこてこてかぁと見たのも始めだけ。そうじゃないとこにこの作品が展開していることに気がついてからは、作品にのめり込んでいた。なんか知らないけど見終えたあとは切なさと複雑さで考えさせられた。
(近所の犬の殺し方)かなり見たくならない原題だ。作品内で確かに関わりはあったけど。子役の役名がエイミーって聞いた瞬間、あの映画「エイミー」が頭をよぎった。5、6年くらい前に見たけどあの映画はすごくよかった。詩が胸にしみ込んだ記憶がよみがえる。久しぶりに見たくなった。この作品はメラニーのひたむきさとエイミーの強さ・正直さが原題とは裏側にある健全な社会の理想なんだなと思った。
テロという言葉が嫌いだ。こちらが向こうをテロリストと呼ぶ。向こうもこちらをテロリストと呼ぶ。自分がいる立場でその相手が変わる。憎しみがまた憎しみを生む連鎖反応。そんな中で正義という言葉を使ってほしくない。でも何の根拠もない平和って言葉も好きではない。
この作品は重い。でもこの作品に描かれたニコールキッドマンとショーンペンから感じたのは、紛れもないぼくなりの愛すべき平和である。
見てる最中は確かにありえねぇって感じでもあったんだけど、それ以上に要所要所で考えさせられるもんがあった。そして見終えた後にドーンと深く考えるもんがあった。
人を信じる心。許す心。正義をかざす背徳者。すがる心。うぬぼれ。哀れみ。迷い。
ナタリー・ポートマンとジュード・ロウが演じる役が特に繊細に胸に突き刺さってきた。ぼくはよく真実を事実の違いを考える。ここにはそれが見事なまでに描かれていた。愛が消える瞬間、そこにそれぞれが見た世界を考える。胸が詰まる想いだ。
ジェームズ・ディーン。彼の名前を聞いた事は誰にもあると思う。そして彼の代表作のタイトルを聞いた事がある人も多いと思う。ぼくもその一人。ただ彼の作品を見た事がなかった!!どっかで敬遠してたとこがある。今年は彼が命を落としてから50年が経ったそうだ。この作品は彼の半生をアウトラインに沿った映画だそう。確かに中身がなく淡々としたものだったので、この作品自体に特記すべきことはないのだけど、なんとなく彼の作品を見てみたいと思った。
なぜかネットでこの作品を検索してみたのだけど見つからない。なので詳細やパッケージ写真は記せないが、たぶんディーン役はヘイデン・クリステンセンだったような。
うーん。ただ残念。中身を感じなかったし、最後に強引なメッセージを植え付けられるのにすごい抵抗あったなぁ。演技とCGのずれが作品に距離をを感じたっていうか。ってえー!?スピルバーグに駄目だしー!?ありえねぇー!まぁまぁまぁ。あくまで1意見です。
パッケージに書かれているストーリーを読んではいけない作品(内容が分かっていいというなら別だけど)。だから残念ながら話を自分の中で解釈することができなかった。こういう作品はストーリーにのめり込めるかどうかが鍵だと思うのだけど、それが出来なかった。ハリウッド版がでるらしいけどどうなるんだろ。なんとなく見てしまうと失敗する作品かも。
これはすごくいいっ!はじめから最後まで作品に飲めり込めた。おれが常日頃から感じていること、誰かが幸せであれば、そのことで他の誰かが傷ついているってこと。だからこそ幸せに無限の価値があるんだって事。この作品からそれを感じた。ここしばらくはずっとヒューマンばかり見てきて、最近サスペンスだの他のジャンルもまた見てるけど、この映画は一応サスペンスに入るらしいし、ある意味納得だけど、この作品から強く人間性を感じた。
ジョニーデップ、やっぱりかっこいい!だいたいシザーハンズ以降のジョニーデップが出る作品で革新的だったり意欲的だったりする作品を見た事がないんだけど。むしろスケールがでかかったり、安定した作品というのかなぁ、どちらかというといいじゃんって作品が多い。見終えた後にその作品の会話が長続きしないというか。おっとぼろくそに言ってるけど、そうじゃなくてさ、そんなジョニーもまたかっこいい訳。って今作品に触れてないけど、まぁ、今作もこんな感じだったのよね。途中から作品の結末が想像付いた時点で、作品内にのめり込む事はなかったけど、でも普通にいい映画だと思ったよ。
極限に追い込まれた人間の取る行動。作品そのものに残忍性を強く感じたが、追い込まれた主人公の二人は優しさを忘れていない。この映画の唯一の救いをそこに見た気がする。
岩井俊二が演技しているということを知って興味が出て見たけど、見たのがちょい前で内容が薄れてしまってるけど、思い出すのは切ない感じ。主人公の女の子の切実なまでの自己否定と自己顕示欲。雨、傘、線路、屋上。悲痛な叫びが痛かったって印象かな。「まだ生きてていいみたい」みたいなセリフがあったんだけど、切なさのあまり胸が苦しくなった。
タイトルからは想像もつかないほど、すごく心に染みる映画でした。
自分の気持ちを相手にうまく伝えられないばかりか、相手に誤解を生ませてしまう。でも想いは人一倍で。まぁいわゆる不器用なんだよね。そんな父。自分と重ね合わせてしまう。でもすごいのはラストシーン。反発する息子をある程度突き放してしまうのに、そのときは違った。息子に誤解される事を嫌がり、その誤解を解こうと逃げる息子を追いかける。そして・・・。
心を閉ざしてしまうと相手をよく見れなくなってしまう。被害妄想に陥ってしまう。父に対して心を閉ざしてしまう息子。自分と重ね合わせてしまう。自分の想い通りにならないとすぐに反発してしまう息子。父親の息子を教育する姿勢でも、すぐに反発する。そして本当に自分は愛されてないと錯覚する。父親の深い愛を知ったときには・・・。やっと現実を受け止め、感情を解放するシーンは何かほっとした。
映画の中にいながら、映画の中の時間をやり直したいと思うほど映画の中に入れた久しぶりの映画だった。
まず邦題の「家族のかたち」ってどうなのかなぁと。まぁ確かにそうなんだけど、もっと違う方がヒットするのではと余計なお世話を前置きに。
肝心の中身ですが、見ながらこんなにもどかしい気落ちになったことは久しぶりでした。
あーだめだだめだ、そうしちゃ!っていうシーンの連続で。(24のようなハラハラドキドキじゃあないんだけど、性格が出てしまう行動っていうのかなぁ、指摘されなければ気づかない自分にとっては自然な行動というような)
確かに何気ない行動だったり言葉だったりが、その先の展開を大きく変えてしまう場面って日常に溢れていると思う。
なんでああいう行動や言葉をしてしまったのだろうと後悔しては取り返せない時間を取り返したいと願う。やれやれだぜ。
一部間延びするようなところがあるとはいえ、全体的にテンポよく最後まで飽きずに一気に見れた。内容もまとまっていて、ただメッセージ性とかはそんなにないが、エンターテイメントとして満足な一本。
久しぶりに見た。 当時と今では確かに感じる事も違うのだけど、作品自体は色あせる事なく見ることができた。時代性を越えた作品と言えると思う。 そこは青い世界。
真実に基づいた作品。とても他人事としては見れない作品だった。
事の大小に関わらず似た経験をしていたもので。うっと胸に突き刺さる罪の意識。誰に迷惑をかけるつもりはなかった空想が取り返せない罪に変わる。
フランク・ミラーのコミックをロバート・ロドリゲスが映画かした作品。この音楽に、この映像。てっきりタランティーノの作品だとばかり思っていたが彼は特別監督としたそうだ。。パルプフィクション、どちらかというキルビル系な感じがした。アクション界におけるスタイリッシュ作品かな。って枠に当てはめるのは嫌いなんだけどさ。
結構内容濃かった。黒と白の世界に際立つきもい黄色の存在。正義と堕落と信頼と裏切り。
どうやらこの作品、非常に賛否両論な映画らすぃです。
原作を全く知らないでみたけど、おれはうん、すごくよかった。考えさせられた。命の尊さみたいなこととか。正しさとは何なのかとか。
酷評が多いみたいなので、あえて★満点なり。
真実と事実の違い。
全てを知ることだけが真実ではない。知らなくてもいい事実はある。しかし真実を貫くために事実を歪めてしまってはいけない。母のためにする行動が彼女や姉を傷つけてしまう。事実と真実。結局は誰かのためにと言いながら結局は自分の理想に近づこうとしているだけなんだ。救いはそのことに主人公自身が自覚しているってこと。
リアリズム溢れる作品だった。
自分の生きる道を持っていて、だからといってそれに固執しているわけでなく、気の向くままに生きている。そんな中、出会う一人の女性、ジョゼ。はじめはきっと好奇心からで、キザらず、素直なままで関わりをもった。
あるとき、ジョゼの言動を主人公は非難する。そして「あんたに何がわかる」と突き放す。「帰って」とジョゼに言われて「わかった」と帰ろうとする。それを引き止めるジョゼ。それに応える主人公。
初めて「誰か」のために自分を相手に依存した主人公。
永遠を手にしたジョゼ。終わりを覚悟した永遠。
落ちていく瞬間。
でも、現実はなかなかうまくいくことばかりじゃない。
なんだかんだ自分を正当化しながら逃げる道を選んでしまうこともある。
何も感じることのない海の底から生まれたとしても
一度優しさに触れてしまったら
たとえ海の底に帰ろうとも何も感じないようになることはない。
優しさは孤独を与えてしまうから。
孤独の続きはこの作品では描かれていなかった。
もし作品を作ることができたら、この孤独の続きを描いてみたい。
いやぁ、一度見始めたら止まらない。見続けたよ24時間(実際はもうちょい短いけどさ)。1シーズンのあり得ないどんでん返し。あれ?ちょっと無理があり過ぎじゃない?ってつっこみたくなり、2シーズンの派手過ぎる演出。そういった意味では3シーズンは前2作よりは大どんでん返しは少ないかも(それでも十分過ぎる展開だけど)。でも一番、話に筋が通っていたし、人間味あったし、個人的には今回までの3作の中では一番インタリスティングしたな。クロエのキャラが個人的には好きや。続きがすごく気になる・・・。
淡々と話は展開していくにも関わらず、全然飽きることなかった。
「どんなに望んでも手の届かないときがある。でも記憶に留めることで忘れないでいられる」
すごく共感してるセリフ。あまりに同じ考えだから、ついつい興奮して「おれもおれもそう思ってる」って言いたくなったからここに書いてみました。 過去にこだわりすぎて「今」を見失いそうなときにこそ、伝えたい言葉だね。「今」がどんなに辛いとしても、正面向いて向き合わないとね。その上で負けることがあったとしても、そんならいいじゃん。
いわゆる映画とは違い、これはドキュメント映画。それでいてミュージッククリップのような映像。
そんな中、実際の話が実際の映像が流れる。それはあまりにもリアルすぎる。
胸に響くのは「悲しみの痛み」。
生きることの素晴らしさを逆説的に、いやストレートか、大切さを教えられた気がする。
人差し指を鼻の下のくぼみに触る魔法、涙が溢れた。
ストーリーの展開は容易に推測がつく上に淡々としていたけれども、映像の撮り方にすごくだわりを感じた。スタイリッシュでかっこよかった。
「悪は悪、善は善」という古典的(シェイクスピア的)なストレートなメッセージは分かりやすくていい。それに加えた正直者にお茶目な贈り物がプラスされて。
独裁者として名高いヒトラー。彼の晩年が人間味ある姿で描かれている。ドイツが敗北を目前にした時のヒトラーやその周りにいた重臣たちの精神の錯乱。仮に名前や場所や時代が違う話だったとしたら、彼に同情してしまう部分もあったと思う。しかしこれはまぎれもない独裁者ヒトラーの話なのである。
ここ3連続で犯罪者の話ばかりを見てきた。高校生が高校生を銃殺した事実に影響されて作られた話。普通の人が体の不自由な人を殺害してしまう話。そして今回のヒトラー。
気が重いし、気が滅入る。
悪があるから善がある。そして善があるから悪がある。そういう風に考えると、確かに、義を掲げて悪を罰するだけでは平和は生まれないと思う。悪の裏側にある背景をよく理解した上でないと、物事は何も解決しないような気がする。
見応えのある映画だった。映像がどうのこうのじゃなくて、すごく考えさせられる映画だった。善悪がはっきりする犯罪。ただ善がほんとうに善で、悪がほんとうに悪なのか?それは誰から見た立場で?
一つの事実にたくさんの真実がある。
アメリカで実際に起きた、米コロンバイン高校の銃撃事件を題材にした映画。人間関係が絡み合いながらも犯罪者とは距離があって。明と暗。生命を軽んじる犯罪者の病んだ心が淡々と描かれる様は、不気味で怖い。何を思えばいいのかさえ分からなくなるほど打ちのめされてしまった。
前半部分ぐいぐいと作品の中にひっぱられ、うわぁこれはいい!って思ってた。回想のシーンが次々と始まったときに、ちょっと引いて見ちゃったんだけどね。
ぼくも小学校や中学校時代の記憶、年を重ねるごとに曖昧になっていたり、完全に忘れてしまっていたりするけれど、すごい実があったという感覚はしっかりとある。そして実際に「輝いていた」と思う記憶も紐解いてみると、いいことばかりじゃなくて、ほろ苦かったり、赤面してしまうことだったり、残酷であったりもする。でも「純粋」な気持ちはどこかにあって、それはやはり輝いている。
たまにはそんなむかしのことをゆっくりと振り返ることもいいのかも、とこの映画を見て思った。よくありがちなキャッチフレーズで言えば「どこかに置き忘れてしまったピュアな気持ち、探しに行きませんか?」って感じかな。
好きな映画監督を5人あげてと言われたら、間違いなくこのケン・ローチ監督がいる。独特な世界観。その世界にすごく共感を覚え、感動する。この作品、前に見たことあったのにすっかり忘れててレンタルしてしまった。始まった瞬間に「あ、見たことある!」って分かったが結末を覚えていなくてまた見てしまった。
最後のシーン、全身鳥肌が立った。信じたくない世界がそこにはあって。信じたい世界は相手に届かず。悲しすぎる。
純粋であるほど壊れやすい。
特にセールス業において本音と建前のギャップに苦しむことはよくある。
自分を正当化できれば会社としての力は強くなれるのかもしれないが、それでいいのかと疑問を持ってしまうと負け犬扱い。
どちらの生き方がよいのか?
どちらにも良い部分と悪い部分はある。
ビルの生き様がかっこよかった。敵に敬意を払ったりするするところなんか素晴らしい。でも大義名分を掲げたところで実際はそれよりも大きな力に支配されている。小さな抵抗が無意味になる。意味がなくなる。それでも自分を信じ活動する。
そんな人間になりたいもんじゃ。
そして見てきました。ダースベーダー登場シーンで映画館の椅子がぐらぐら揺れて。まるでアトラクション並みの。実はそれはあとで地震だと知って、絶妙なタイミングにびっくりしたさ。
前後の作品を見てるからストーリーは分かっているのだけど、どこがどうしてどうなるのか、これを見て完結した。「正義と愛」どちらを選ぶのでしょうか?「真理と欲」どちらを選ぶのでしょうか?
あーもう1回見たいなぁ!
執着しすぎると嫉妬が生まれ憎しみに変わる。信じることの難しさ
言わずと知れたスターウォーズ。
いよいよ最後のエピソード3公開ということでこれまでの作品を総復習。1作品が2時間を越えるからねぇ。かなり長かった。でもいっぺんに見ると話がつながって楽しさ倍増!そして複雑にみえるけど実は分かりやすいストーリーなんだよねぇ。
マスターヨーダは警告する「怒り 恐怖 敵意 それが暗黒面だ 心の中にたやすく生まれる 暗黒面に落ちればそれに食い尽くされる」 と。
アミダラ女王は言った「運命は変えられないの 夕日を止められないように」哀愁ありすぎ!
きれいな作品だった。
グーっと迫ってくるもんはないんだけどさ。まぁお洒落な映画って印象かな。
でも浅野忠信って人はほんと引き込む演技するなぁ。単純に好きです。
淡々とストーリーはゆったり流れていく。
編集の力ってすごいなぁと感心しました。
ラストシーンはハッピーエンドなのか空想なのか、一瞬考えたけど、すぐにどうでもいいやってなった。幸せの香りを感じたから。それを否定したくはないので。
他人にとってはどうでもいいことでも、自分にはどうも気になっちゃうことってある。それなのにいつかどうでもよくなってたり。
この映画、そんな感じでほのぼのしてんだよね。あったかい。オジィが最高に笑える。浅野忠信は相変わらずかっこいい!
「なんでミキサーの仕事やろうと思ったの?」と聞かれて
「なんでミキサーやんないのって感じかな」って台詞がビビッ!と来た。おれもそう言える仕事がしたいなと。夢かな。人の夢と書いて儚い。・・・。
あー、でも見ながらなんか素直になれないとこもあって。まぁおれの問題なんだけどさ。
「優しさはどこまで届くんだろう」
なんてね、考えちゃったり。
同じ部屋で、前半は2人だけのシーン。後半から3人になって。一つの場所で映画を作ってしまう。これは勉強になる。それでいてはらはらする気持ちになって。感情と感情のぎりぎりなやりとり。ん〜、見事!
「i love you」という類いの言葉を口にするのが嫌いだ。ほんとは言葉以上の想いがあっても、その言葉を口にした途端、もはやそれ以上にならないからだ。それを伝えるためのあらゆる行動が、集約されてしまうからだ。でも、この映画の彼女の「i love you」は、切なすぎた。胸に響きすぎた。社会のルールに背くことのできる権力者と従うしかない反逆者。正義が揺らぐ。最後に流れるコールドプレイの曲が更に胸に突き刺さる。会えることはなくても、その感情は押さえきれずに、疲れ果てた先でつぶやく。「会いたい」